2023年に入ってなにか新しいことをはじめたくなった時期にこちらの記事↓を読んで、今まで一度たりとも続いたことがない日記を書くことに挑戦してみようと思いました。
アナログの日記帳や、ちゃんと毎日欠かさず書くタイプの日記ではなく、
- デジタルで
- ごく断片的な情報を
- 画像やコピペを交えながらつける
……という作業で、これが楽しくてすでに5ヶ月続いています。むしろもっと早くこの方法で日記をつけていればよかった!と思いました。
iOS標準搭載のメモアプリで日記を書く
デジタルでつけている日記は2種類あり、ひとつはiOSに標準搭載されているメモアプリ(黄色いアイコンのアレ)です。
iPhoneのメモアプリはicloudでMacbookと連携しているので、スマホとPCの両方から編集することができます。
この連携機能によって、自宅でも出先でも思いついたときにすぐに日記を書くことができるようになっています。
夜に一日の出来事を振り返って思い出したことを日記につけるのではなく、リアルタイムに今、感じたこと・気になったこと・勉強になったことなどを記録するスタイルです。
文章にせずに箇条書きで書く
この日記をつけるときは、文章にせずに箇条書きで、体裁を整えることもせず、とにかく吐き出すということを意識的にしています。
ちゃんとした意味のある文章にしたところで読むのは自分だけだし、「ちゃんとした文章にしなきゃ」と思うと書くハードルが格段に上がります。このハードルをできるだけ下げたことで手軽に日記を書くことができ、習慣化することもできたように思います。
また、頭に浮かんだこと、忘れたくなくて書き留めておきたいことはとにかくこまめに吐き出して、脳のリソースを開放しておくことで、同じことをぐるぐると考えて悩まなくてすむようになるのも大きなメリットです。
たとえばネットをしていて目に留まったものや、ふと思いついたアイデアなどをがんばって覚えておかなきゃと思うとめんどうだし、そもそも不可能です。
ざっくばらんな殴り書きでもいいので、とにかく書き留めておく・吐き出すことで、”覚えておかなければならないこと”をいちいち脳の中に留めておく必要がなくなり、少ないリソースを有効に使うことができるようになります。
iOSのメモは画像やスクショ、記事リンクを添付できる
iOS標準搭載のメモアプリなら、ネットをしていて気になったことがあればすぐにスクショかコピペをとり、貼付けをしておくことで、気になったニュースをストックしていき、後々見返すことができます。
また、スクショやコピペの出典元をリンクすることもできるので、後々「もっと詳細を知りたい」となったら元記事に飛べるようにもできます。
私はWebブラウザなどの「後で読む」機能に入れた記事は圧倒的に後で読まない傾向にあるのですが、スクショなど要点だけ抽出したものを日記にペタペタ貼り付けておけば、日記を開くたびに目に留まりやすく読み返すことも多いことがわかりました。
ブログのネタになりそうなこと、勉強になったことなど気軽にストックしておけるのが便利です。
無料なのに意外と高性能なメモアプリ
- メモに含まれているテキスト、手書き文字、さらにはレシートや請求書といったスキャンした書類や写真内のテキストも検索できます。
- メモをフォルダやサブフォルダに保存し、好きな順序で並べ替えることができます。
- タグを使って、素早くかつ柔軟にメモを分類したり、整理したりできます。“#アクティビティ”、“#料理”といった1つ以上のタグを直接メモに入力するか、手書きで追加できます。
- サイドバーのタグブラウザを使うと、任意のタグやタグの組み合わせをタップして、タグが付けられたメモを素早く表示できます。
- フィルタに基づいて、メモを自動的にスマートフォルダに整理できます。作成日、チェックリスト、添付ファイルなどでフィルタリングするルールを作成できます。
このあたりの機能は、私はほとんど使いこなせていないものの、写真内のテキストを検索できたりタグをつけられたりするのはかなり便利な機能です。
標準搭載のアプリなので一切課金をしなくてもよく、かつ画面内に広告なども挿入されず作業領域を圧迫することもなく、関係のない広告が目に入って意識を持っていかれるようなこともありません。
無料アプリにしては十分すぎる便利さ&快適さ、かつシンプルで扱いやすい設計で、今のところこれに勝る無料アプリを知りません(※元記事で使われていたEvernoteは画面がゴチャゴチャすぎ&機能が複雑すぎて使用時間2分で挫折しました)
実際の日記
実際にどんな日記を書いているかの一例としては、
- ↓のように「へ〜」と思った雑学や調べた用語についてメモをとったり、
- ネットショップや電子書籍で見られる雑誌などで「かわいいな〜」と思ったものや欲しいものをメモしたり、
- YouTubeの画面をスクショしたり
- ブログのネタになりそうなアイデアなどを思いついたままに書き殴ったり
- ツイートの下書きをしたり
- あまり大っぴらに開示できない考え事をつらつらと書き連ねたり
- 仕事の愚痴や「つかれた」「ねむい」「さむい」などのネガティブワードもとりあえず吐き出したり
- あまり面白くない本を読んだときにブチギレながらツッコミどころを列挙したり
……などなどさまざまです。
他には、旅行の記録を画像を交えながら書いたりもしています。こういった↓観光地のチケットやパンフレットなども写真に撮って挿入しておけば、現物を手元に置いて管理しておく必要もなくなり快適です。
家計簿のカレンダーにもちょっとした忘備録を書く
上記の日記とは別に、年間で書けるスケジュール管理表シートを、家計簿と同じエクセルファイルに作っています。こちらは上記のメモよりもっと前から書いていて、もう2年ほど続けているものです。
ToDoリスト欄
やらなければいけないことはToDoリストにして、締切日などの日付に対応するセルに書き入れていきます。
予定が終わったものは○を●に塗りつぶす、予定を延期したら項目をコピペで移動させるなどの操作をしてスケジュール管理をしています。
このスケジュールシートが入っている家計簿ファイルは毎日見るものなので、予定を忘れることがありません。
それ以外でも、
- ブログを書く作業ができた
- 本が読めた
- TRPGのシナリオが書けた
など、”余暇時間にできたこと”もToDoとして事後に記録しています。これは、できたことをリストにして可視化することでモチベーションを向上させる目的だったのですが、効果があるかどうかは正直なところ微妙です。
メモ欄
- その日起きたよかったこと
- 読んだ本
- 遊んだゲーム
- 行った場所
- 食べておいしかったもの
……など、その日に起こった出来事でごく短い文章で書けるものは、箇条書きにしてメモをつけています。
年間で起こった出来事が網羅的に確認できるのがメリットで、どちらかというと思い出を記録して後々見返して「そういえばこんなこともあったな~」と思い出に浸る用の記録です。
なのであまりネガティブなことは書かないようにしよう……と思いながらも「ねむい」しか書くことがない日もあります。
デジタルで日記を書くメリット
手帳がいらない
当たり前ですが、デジタルの日記なら、紙の手帳やノートを買う必要がありません。
更には、過去の手帳を残しておく必要もないので、”もう使ってないし読み返すようなこともないけど思い入れがあってなかなか捨てられないもの”筆頭の日記をわざわざ保管しておく必要もありません。
この”過去の手帳を残さなくてもよい”というメリットには、使い終わったスケジュール帳などもなかなか捨てられない私のような人間はとても助けられていて、家の中に不要なものを保管する必要がなくなったことで、気持ちがだいぶ軽くなりました。
読み返しもしないのに捨てることもできないノートやスケジュール帳が断捨離の大弊害になった経験のある人は、ぜひデジタルの日記を試してみてほしいと思います。
思いついたときにいつでも書ける
手帳などに日記をつける場合、手帳の現物を常に持ち歩かなかればいけません。手帳を自宅の机の上などに置いていると家にいるときにしか日記がつけられないし、毎日ゆっくり机に座って文字を書くだけの時間的・精神的な余裕があるとも限りません。
スマホのアプリで日記をつけていれば、スマホを持ち歩いている限りいつでもどこでも日記がつけられ、リアルタイムに記録ができるので度忘れすることも防げます。書きたいときにワンタップでアプリを起動できる気安さもメリットです。
私は、机で作業をしているときはサブPCとして使っているMacbook Airの画面にメモアプリを出しっぱなしにすることで、”日記を書く”という作業へのハードルを極限まで下げています。Macbookのキーボードに手を伸ばせばすぐに書けるので、日記を書くために重い腰を上げる必要などは一切ないし、スクショやコピペなども一瞬で張り付けられます。
スクショを貼れる、コピペができる
繰り返しになりますが、デジタルの日記やメモであれば、ネット上にアップロードされているありとあらゆる文字や画像のスクショをとったり、コピペをしたりして自分のものにすることができます。
インターネットを徘徊してて「これはメモしておきたいな」と思うようなことに巡り合ったとき、紙の手帳の場合だとひたすら手で書き写すか、もしくはプリンターなどで出力して貼り付けるしか手段がありません。
もちろんそれが悪いわけではありませんし、文字や絵を描くのが好きな人であれば、デジタルのスクショやコピペは物足りないものかもしれません。また、スクショやコピペをそのままネットで転載して公開すれば、著作権法などに抵触してしまいます。
とはいえ自分ひとりが見るメモなら無断転載もやりたい放題ですし、手で紙に書き写すよりもごく短時間で、大量のデータを保管することができます。
私にとってライフワークと言える、ブログのネタになりそうなものを収集するのにはこういった手法の方がはるかに効率的なので、デジタルの日記を活用しているという次第です。
検索できる
デジタルツールの最大の強みは”検索機能が使える”ということだと思います。
紙ではページをめくりまくって該当のワードを目視で探さなければならないところ、Excelファイルやメモアプリなら検索ワードを打ち込むだけで抽出が可能です。
先述したように、iOSのメモアプリであれば、画像から文字列を抽出して文字データに変換するということさえしてくれます。便利な時代に感謝。
たとえば、
- 「○○について調べたことをメモった記憶だけはあるけど、いつ書いたかわからない……」
- 「○○に行ったのが何月何日のことだったか知りたい……」
- 「〇〇さんにもらった超絶美味しいお菓子の名前、確かメモったはず……」
……などなど、気になったことを一瞬で振り返れるというのはデジタルならではのメリットです。
文字を書かなくてすむ
これも当然といえば当然ですが、個人的にデジタルでデータを記録するうえでいちばん助かっているのが字を書かなくてすむということです。
私は自分の字が嫌いなうえに妙なところで几帳面なので、手書きの手帳や日記などはあまりきれいに書けた思い出もなく、それほど読み返したいとも思いません。そうして書いたことがすべて記憶できていれば読み返す必要もないのですが、それは無理です。しかし、先述したように日記はブログのネタ帳を兼ねているので、それでは困るわけで……。
特にExcelの扱いに慣れてからというもの、公私を問わず、ありとあらゆるログをPCかスマホからつけるようになって、手書きの文字から解放されてとても快適な毎日を送っています。余談ですが同じ理由で私は手紙を書くのも大大大苦手です……。
唯一のデメリットは”消える”こと
デジタルデータのデメリットとして明確なのは、”データが消える”ということです。
もちろん、手帳やノートも紛失や災害などで物理的になくなることはありますが、デジタルデータはどれだけバックアップを取っていたとしても、クラウドに保存していたとしても、程度の差こそあれ、消えるときは消えます。自分のミスで書いたものが一切保存できていなかったということも起こります。
データの消えやすさで言えば、やはり具体的な物質になっている手帳やノートよりも、デジタルの画像や文字は”儚い”としか言いようのないレベルで消えやすいものだと言えます。
とはいえ消えたときは消えたときで潔く諦めるというか、どうしようもないことだと割り切ってあまり執着しすぎないということが、紙にしろデジタルデータにしろ重要なのかなと思います。データが消えたところで自分が死ぬわけではないので、「消えたわ!ガハハ!」と笑い飛ばせるぐらいの覚悟を持って付き合っていくほうがストレスが少ないような気がしています。
(などと強がりを言っていますが、このメモや家計簿のデータが消えたらそれなりに落ち込みそう。まあその時はその時ということで)
日記の効用
日記を外付けHDDとして扱う
私は、このリアルタイム日記をつけるようになってから、日記とは、考えたことを忘れるために、また忘れてしまうことに抵抗感を感じないようにするためにつけるものだというふうに認識を改めました。
自分の頭が(ポンコツ)メインストレージだとしたら、日記は外付けHDDの役割を担ってくれます。
思いついたときや調べものをしたときに、とりあえず書き出してしまいさえすれば、あとで読み返したときに、
- 「これは意外と大事なことを考えていたな」とか、
- 「これはよく考えたら間違ってるな」「今の考え方とは違うな」
……と、改めて確認したり、考え直したりといったことがしやすくなります。
また、「前にもこれについて調べたり、似たようなことを考えたことがある気がする」といったことは、キーワードを検索すれば簡単に見つけ出し、再確認することができます。
内容をすっかり忘れて(メインHDDから削除して)しまっていたとしても、後からいくらでも掘り起こせる(外付けHDDから引っ張ってこれる)安心感は、日記やメモをつけることでしか得られないものだと思います。
日々考えたこと、知ったことは記録することで忘れることができ、思い出したいときに思い出すことができ、活用することができます。また、考えたときや知ったときにはさほど重要視していなかったことも、後々見直すことで予想外に深堀りできそうなテーマを再発見して、熟考することもできます。
思考を文字列に
「書きなぐることから始めるのは、自分が何を言いたかったのかを見つけるためである」
「頭の中にあるような気がしていたものは、すぐに消え去ってしまう」
「書きつけて物質と化した思考のみが、扱うことができる」(レヴィ=ストロースのコラージュ)
なぜこうまでして思考や知識を文字にして残したいかというと、おそらく自分が読むものとしては自分が興味をもったものがいちばん適しているので、いつでも読み返せるような体裁になっていてほしいという願望があるからだと思います。
自分が書いた文章や関心をもった事柄を繰り返し読み返したい……というとものすごくナルシストっぽくてアレですが、日記もメモもブログも、すべてそのモチベーションで書き続けているのは事実。
もちろん、友人や、推しや、好きな人がそれぞれ日記やブログを公開してくれていればそれを熟読するのも大好きなのですが、それと同じくらい、自分の考えや関心ごとについて反芻するのも好きなのだと思います。
日記にはデトックス効果がある(気がする)
また、せわしなかったりストレスの多い生活のなかでも、日記を開いてぼんやりしていると書きたいことがつらつらと出てきて、書いているうちになんとなく癒されるという効果もあります。
毎日ぼんやりと暮らしていて、貴重な人生の時間を消費しているような罪悪感や徒労感のようなものを感じることがあっても、日記という”成果物”があることで、そこに意義のようなものを見出せる気がします。日々調べたことや勉強になったこと、興味関心事などを蓄積すれば、それは立派な研究ノートにもなります。
本当に軽い気持ちで始めた日記ですが、そんな理由から、もう手放すことができないものになりつつあるなという気がしています。
メモアプリがあまりに便利&シンプルデザインすぎて好きすぎるせいでiOSからも逃げられない宿命を負いつつある気もしますが、今のところは見ないふりをして、エクセル家計簿と同様に人生のライフワークにしていけたらいいなと思っています。