家の中を超快適な居場所にしたり、出先でも常に上機嫌でいるためには、ものの力を借りるのがいちばん手っ取り早いです。
使っている家具や雑貨、着ている服など、細部に至るまでのすべてが「超・お気に入りのもの」だったら……と考えると、もうそれだけで楽しくなってきてしまいます。
逆に、たとえば毎日使う道具などがすごく使いにくいものだと、手に取るだけでストレスを感じてしまいそうだし、家の中が「お気に入りじゃないもの」で溢れかえっていたら、とてもじゃないけどゆったりくつろぐことなんてできそうにありません。
ものは多くなくていい、むしろ少ないほうがいい、そしてその「少ないもの・必要最小限のもの」は、ひとつ残らず好きなもの・使っていて気持ちがいいもので揃えたい。
使っていて・着ていて・目に入って、そのたびにこのうえなくハッピーになれるようなものばかりを、身の回りに取りそろえる……というのが、持ち物を最適化するということだと思っています。
欲を言うなら、職場や旅先などでも家にいるのと同じくらいの快適な状態を再現できるぐらいにしたいので、「モバイル性」「汎用性」も重要になります。
- 「持ち物の最適化」をするのに重要なポイント
- 「ウルトラライトハイキング」の考え方を参考にしたい
- 「アスレジャー」も気になる
- 「持ち物の最適化」我が家の事例
- 持ち物を増やすより、持っているものを置き換える
「持ち物の最適化」をするのに重要なポイント
ざっくり「好きなものばかりを持つ」と言っても、自分が「どういうものが好きなのか」がわかっていないと、世の中に数ある商品の中からどれを選んだらいいのかわからなくなってしまいます。
でも、既に手元にあって日常使いをしているものがどうにも使いづらい、目に入るとモヤッとする、なんとなくしっくりこない……ということであれば、それらのものをひとつずつバージョンアップしていくという方法で、最適化をはかることはできます。
この部分が使いにくい・この部分がなんとなくイヤなので、もっとこういうものが欲しい……という、自分にとっての「使いやすさ」「大事にしたいポイント」がわかってしまえば、その基準に見合う新しいアイテムを発掘すればいいだけです。
ちなみに、私にとっての持ち物選びの基準としたい、重要なポイントは、ひとことで言うとONとOFFの境目のないもの。
日常でも旅先でも、遊びに行くときでも仕事に行くときでも、常に同じものを使いたいし、同じ服を着て、同じ化粧品を使いたい。
究極は、リュックひとつに入りきるくらいの持ち物で、出勤することも、長期旅行に出ることもできる……というのが理想です。
更に細分化すると、
- 軽くてコンパクト
- 持ち運びが簡単
- 複数の用途で使える
- TPOを選ばない
- 流行に左右されない、ベーシックなスタイル
などの要素が備わっているものが好きです。
「ウルトラライトハイキング」の考え方を参考にしたい
特に「軽さ」「大きさ」に関しては、今後積極的に「縮小&軽量化」を意識していきたいところです。
持っているものがコンパクトだったり軽かったりすれば、それだけ身軽になれて旅にも出やすくなると思うし、引越しなども一瞬で終わらせることができます。
もっと軽く、もっと小さく、という基準も重要視したいなと思ったのは、佐々木俊尚さんの「そして、暮らしは共同体になる。」という本を読んで、「ウルトラライトハイキング」という単語を目にしたのがきっかけでした。
最近は登山の世界でも、所持品を最小限にして超軽量で歩こうという「ウルトラライトハイキング」、略してULと呼ばれるスタイルが登場してきています。テントじゃなくて一枚布のタープをつかい、歩行につかうトレッキングポールを支柱にして設営したり、重い登山靴ではなくトレイルランニング向けの軽いシューズを履いたり、といった軽量化をおこなうことで、テント泊の山行でもザックを五キロぐらいの重さに収めてしまおうという手法です。
(中略)
上昇志向ではない登山。日常と非日常がシームレスにつながっていく旅。山旅は登山口から先だけのものではなく、自分の家を出たところからすでにはじまっている。いや、さらにいえばいまわたしが自宅で過ごし、自宅で料理し、家事をし、仕事をしているところまでもが、実は旅の中に含まれているのかもしれません。「人生は旅である」というのはつかい古された言いまわしですが、モノを徹底的に減らしてミニマリズムを実践し、モノに囚われず、そして移動自由な生活を実現するというのは、まさにこの「人生は旅である」そのものです。
「アスレジャー」も気になる
同書にはULの他にも、「アスレジャー」という、ON/OFFの境をあいまいにしたファッションについても言及があり、こちらもかなり興味をそそられました。
こうした家の内でも外でも、という流れのひとつとして「アスレジャー」という米国発のことばもあります。
アスレジャーはアスレチックとレジャーを合成したもので、わかりやすくいえば、ヨガウェアやジョギングパンツ、ジムウェアなどを日常着にしてしまおうという傾向のことを指しています。
(中略)
「外出する時は着飾る」というスタイルから、「日常も外出時もいつも同じファッションで」というスタイルに変化してきているということ。
運動をするとき専用、仕事をするとき専用、飲み会やパーティ専用……の服を持つのも、それはそれで気分を変えるスイッチになっていいとは思うのですが、そのどれもを「質の良いもの」「お気に入りのもの」にしようとすると、それなりにお金がかかってしまいます。
だったら、どんなシーンでもマルチに着られて使い勝手の良い服に、ガツンとお金をかけていいものを買うというのも、やりかたとしてはアリだな~と思います。
「持ち物の最適化」我が家の事例
ULやアスレジャーのように、身の回りの道具をより「使っていて心地よいもの」に置き換える試みとして、我が家で実践していることをいくつか紹介します。
ハンガーラック→アイアンバーに
押入れの中の服は、ほぼすべて自立式のハンガーラックにかけて収納していたのですが、このハンガーラックを廃止して、押入れの内部にアイアンバーをネジ止めで設置しました。
(見えにくいですが、ビフォー)
(アフター)
ハンガーラックは伸縮自在なうえ、どんなに重いものでもつり下げられて便利なのですが、難点として、
- ハンガーラックそのものがかさばる
- ハンガーラックの足元の掃除がしにくい
という二点があり、それがどうしても気になっていました。
押入れにアイアンバーを取り付けてしまうという方法なら、足がジャマで掃除ができないということもないし、収納用品そのものもコンパクトです(なにせ、取り付けているのは二本の鉄の棒と、数本のネジだけなので)
結果的に、アイアンバーを増やしただけで、背が高くてかさばる自立式のハンガーラックを手放すことができ、服の収納用品の軽量化&コンパクト化に成功しました。
無印良品のメイクボックス→無印良品「吊るせるケース小物ポケット」に
長年愛用していた無印のメイクボックスを手放し、ここ最近は、メイク用品は「吊るせるシリーズ」に収まりきるだけ持つ、という自分ルールで運用しています。
このバッグ(ポーチ?)の利点は、なんと言っても「家の外への持ち出しのしやすさ」。
手持ちの化粧品はすべて中に納まっている状態なので、これひとつをリュックの中に放り込むだけで、日焼け止めからファンデーション・アイメイクまでの身支度が可能になります。
ボックスタイプのものは容量が大きく便利なのですが、旅行などで持ち出すとなると、どうしても「ポーチへの移し替え」の作業が発生して、旅の準備を億劫にします。
移し替えの際に「持っていくものの取捨選択を迫られる」というのも、ちょっとしたストレスになっていました。
メイクボックスからバッグに移行したことにより、旅の準備中に「今回はアイシャドウはいらないかな……でも、もしかしたらガッツリメイクしたい気分になるかも……」など悩む時間がゼロになり、すこぶる快適です。
メイクボックスからポーチに移行することで、「旅の準備のしやすさ」が格段に向上しました。
フローリングの拭き掃除は、無印良品「落ちワタ混ふきん」で拭きまくるのみに
キッチンの床(家の中の唯一のフローリングスペース)の拭き掃除に、シート取り換え式のフロアモップと、いろいろな掃除道具との互換性のある伸縮ポールを使っていました。いずれも無印のものです。
ですが、
- ポールの接続部分のプラスチックが壊れており、すこぶる扱いにくかったこと
- 使い捨てシートを取り換える手間がめんどうなこと
このふたつが大きな要因となり、更にはキッチン周りの拭き掃除に使う道具を無印の落ちワタ混ふきんに統一したことも重なって、モップとポールは手放してしまいました。
このような「いろいろな道具を付け替えて使える」タイプの掃除アイテムやシステムは、確かに便利なのですが、そもそも用途ごとに掃除道具を付け替えて使うだけのマメさが必要であり、そしてそれは私にはとてもハードルが高いことでもありました。
フローリングの掃除をするのに、ドライタイプのモップで床に落ちたゴミや髪の毛などを取り除き、ウェットタイプに付け替えてもう一度拭き掃除をし、今度はコロコロに付け替えて畳の部屋を掃除し、更にお風呂の掃除をしたい時はまた別のアタッチメントに付け替え……。
それらの道具を取り出す手間・しまう手間も考えると、なかなかの気合が必要となり、結果として「毎日やるのは無理」という言い訳を生んで、掃除をサボりまくることに繋がっていました。
現在の掃除方法は「食器洗いをした後、シンクを拭いたふきんで、コンロ周りやキッチンの床もまとめて拭いてしまう」のみ。
畳の部屋の掃除はルンバに一任しています。
この掃除方法に切り替えたところ、ほぼ毎日の頻度でキッチンの掃除をすることができており(なにせお皿洗いは毎日やることなので)、掃除を習慣化するためには、それをするための道具をむやみに複雑化させないことが重要なのだ、ということを痛感しています。
洗いにくい麦茶ポット→無印良品「耐熱保存容器」に
毎年、夏になると麦茶の水出しパックで大量の麦茶をつくり冷蔵保存して、水分&ミネラル補給をしています。
ですが、以前からこの麦茶をつくるための、いわゆる「麦茶ポット」の洗いにくさに辟易してしまっており、手持ちのポットが壊れてしまったのをきっかけに無印の「耐熱保存容器」に置き換えました。
麦茶ポットのように大量に麦茶を作り置きしておくことはできませんが、食器洗いのストレスがずいぶん軽減されて快適な麦茶ライフをおくることができています!
持ち物を増やすより、持っているものを置き換える
自分がいま持っているもののすべてについて、「このもののこの部分がこれだけ好き!」と説明することができたら、「持ち物の最適化が完了した」と言えるのではないか……と思っています。
今持っているものの中には、とくに理由もなくなんとなく買ったものもあれば、必要に迫られて間に合わせで調達したものや、明確に気に入っていないものもあります。
そういったものをひとつずつなくしていって、持ち物を「100%、好きなもの」で構成する、というのが目標です。
道のりは長いですが、せっかくだったらその過程も楽しんでしまって、少しずつ「好きなもの」のパーセンテージを上げていきたいと思います。