私は手取り14万円の派遣社員なのですが、周りの人にびっくりされる程には”経済的不安”というものがありません。
ただ危機感がないだけという見方もあるかとは思いますし、失礼な人から「強がっているだけでしょ??」と言われたこともあります。笑
しかし、本当に不安感は薄く、毎日のほほんと暮らしています。
「将来もしお金に困ったら……」とか「派遣の仕事ができなくなったら……」と考えたことはほとんどありません。
少ないお給料でもある程度貯金ができているからかな?とも思いましたし、確かにその側面もあります。
が、よくよく考えてみれば20代で貯金が20万円しかない状態で上京し、同居人と同棲をはじめた頃も、お金の不安というものはほとんど持ち合わせていなかったように思います。
(ちなみに虎の子の20万円は引っ越し費用&賃貸マンションの初期費用できれいになくなり、速攻で働きました)
派遣社員はみんな不安を抱えながら生きているのか
2020年には(詳細は省きますが)”手取り14万円”がトレンドワードになったこともあり、SNSなどネットでは「派遣社員は不安定で、常に不安がつきまとっている(だから、待遇を改善しなければいけない)」という論調もみられました。
が、手取り14万円当事者である私は、そんなに多くの人が不安を抱えながら生きているのかという点で、やや疑問に思いました。
もちろん、ネットニュースは多少誇張されている部分もありますし、人それぞれ環境や事情は異なります。
また、もし派遣社員の待遇が改善されたり、正規雇用が促進されるとしたら、それは素晴らしいことです。
正規雇用されるつもりはないものの、その恩恵に預かれるところがあればちゃっかりと預からせてもらいたいとは思います。笑
実際に、2020年4月の法改正により時給は上がり、派遣社員でも交通費が支給されるようになりました。
それは、
- 「派遣社員は収入が少なく不安だ」
- 「扱いが不当だ!」
- 「通勤に必要な交通費くらい払え!!」
……と、声を上げた人がいるからこそ実現したことです。ありがたいことです。
しかし、「派遣社員は全員お金の不安を抱えて生きている」かというと、それはやはり違うと思いますし、人生において過度な不安を感じずに生きていけるなら、それはそれでよいことなのではないかと思います
※強調しますがだから派遣は一生低賃金でいいんだ!!などと言っているわけではありませんのであしからず……。
お金の不安を感じずに生きる唯一の方法は、”お金を使わないこと”だと思う
みもふたもない話かもしれませんが、私がお金の不安を感じずに生きていられるのは、たくさんのお金が必要な生活というものをしたことがないからかもしれません。
実家暮らしが長かったですが、特に生活費の支払いを要求されたことはありませんでした(お察しかもしれませんが、実に20年以上も甘やかされて育ちました)
東京に住んでいた頃であっても、地元より生活費はたくさんかかったものの、同居人とふたり暮らしをして完全折半にしていました。
自家用車やマイホームをローンで購入した経験もありませんし、ものすごくお金のかかる趣味に没頭したこともありません。
もちろんホストクラブに通いつめたこともリボ払いに手を出したこともありません。
生活費には天井がある
たくさんのお金が必要な生活とは、つまり、
- 都会の広くてきれいな家の家賃や住宅ローン
- 車
- お金のかかる趣味
- ブランドものの時計や服
- お酒と煙草
- ギャンブル
こういったものに極端にお金をかける生活のことを指し、これらのものに傾倒さえしなければ、”生活費”として必要な金額はタカがしれています。
たとえば、1ヶ月分の食費として何十万円も使おうと思えば使えるかもしれませんが(すごく太ると思いますが……)、人間が一日に食べられるものの量に限界がある以上は、青天井ではありません。
電気代や水道代などの光熱費として毎月何万円も使おうと思ってもなかなか難しいでしょう。
生活必需品を買うだけなら”自宅の収納に入りきるだけの量”が、必然的にお金を使える上限となります。
つまり、生きるだけ、生活するだけのお金は、際限なく使おうと思ったところである程度の上限があるというわけです。
しかも、生活費として毎月10万円を払っている人より、100万円を払っている人の方が10倍幸せかというと、そんなわけでもなかったりするのです。
必要最低限”+α”を少なく抑えつつ、楽しく暮らす
多くの人は「”ただ生きているだけ”の状態にお金を払うだけでは、人生がつまらないものになる」ということで、必要以上の”+α”の部分にもお金を払います。
それは私も同じで、なにもかも必要最低限に合理的に、必要のないものに一切お金をかけない生活は味気ないものになりますし、そもそもそんな無駄を一切省いた生活が実現可能であるとはとても思えません。
ですが、この”+α”をどれだけ少なく抑えられるか、そしてそのうえでどれだけ楽しい毎日を送ることができるかが、QOLを大きく左右するというふうに私は考えています。
↑で挙げた、豪邸やブランドものなどに必要以上のお金をかけないのはもちろんですが、自炊中心の食生活で節約したり、低コストでも没頭できる趣味をもったり、むしろその趣味で収入を得られるようにしたりといったことができれば、生活の満足度を下げることなく生活コストを抑えることができます。
結局は、生活の満足度や幸せをお金に依存する生活スタイルでは、「もしもお金がなくなったら、QOLが下がってしまう」という不安からは逃れられないのだと思います。
おすすめは”月6万円の生活費”で楽しく暮らすこと
国民年金支給額や、あるいはベーシックインカムの議論などではよく、最低限必要な生活費として支給されるべき金額として、”6万円”から”7万円”という額がひとつの基準として用いられます。
たとえばこの6万円という金額を、少なすぎると見るか、充分であると見るかによって、お金に対する不安感は大きく左右されるように感じます。
6万円の支給分だけで生活費をまかなうことができれば、一時期話題になった老後2000万円問題も一切心配する必要がなくなりますので、退職金が出ないことや多額の蓄えができていないことによるお金の不安はなくなります。
また、月6万円の収入さえあれば生きていけるのであれば、週5日・フルタイムの正社員や派遣社員の仕事をする必要もありません。
仮に時給1,000円の8時間労働とすると、月に7.5日働けば生活費がまかなえ、夢の週休5日生活が実現できます!!
時給800円のアルバイトだって、月9.3日働けばOKで、週休4日程度が確保できます。
不況が続く日本といえど時給800円のアルバイトの働き口も見つからないということはあり得ないと思いますので、心身の健康さえ維持できれば、もはやどう転んでも生きていけます。
”+α”分は趣味や副業で補填する
月6万円の収入だけではさすがに不安、ということであれば、前述したような”趣味で収入を得る”という手段を模索してもいいと思います。
必要最低限の収入は必要最低限の労働によってまかない、それ以上の余剰金は趣味や、あまり稼げないけど、やっていて楽しい仕事でまかなうというのが、個人的には理想としている生活スタイルです。
万が一、週2日ですら働けないような状況になってしまったら、日本には生活保護というセーフティネットもあります。
この、「いざとなれば月6万円もあれば生きていける」という確固たる自信(?)は、お金に対する不安を払拭してくれるとんでもなく大きな武器になります。
※くどいようですが引退したら全員6万円の年金でがまんして生活費をまかなうべき!と言っているわけではなく、6万円あれば充分生活していけるということがわかっていれば、どんな状況にあってもお金の不安にとりつかれることなく生きていけるのではないかというお話ですので、年金の金額が上がることやベーシックインカムが実現することに関しては大歓迎です。笑
まとめ
もちろん「多少お金の不安があろうと、毎月20万円を使う暮らしがしたい」というのが間違っているわけでもありませんし、むしろそちらのほうが一般的だとは思います。
しかし、実際は月に10万円や、あるいは5万円という金額まで生活費を下げても、QOLを損なうことなく暮らしていける……ということは、実際にあり得ることです。
それは実際に、自分の生活で体験してみないとわからないことではありますが、もしかしたら、「東京から地方に移住したことで家賃が半減したうえ、趣味のアウトドアを存分に楽しめるようになった」などということも起こるかもしれません。
お金の不安がないというだけで、人生は驚くほどイージーに、楽しいものになります。
やりたくない仕事はやめられるし、所得が低ければ税金の徴収に怯えなくてすむし、「もし今の仕事をクビになったら……」「もし病気になって、働けなくなったら……」と想像して気を病む必要もありません。
やりたい仕事や趣味があるなら生活費のことを気にすることなく没頭できるし、生活費を低く抑えるために自炊をしたり、健康のために運動をしたり、あるいはセルフビルドで家を建てる!といったことをする、時間と気持ちの余裕も生まれるはずです。
多くの人は、お金の不安をなくすためにもっと働く、もっと収入を上げるということに注力しますが、もしも支出が収入につられて上がってしまえば、永遠にお金の不安から解放されることはありません。
お金の不安から逃れるための特効薬は、”支出の最小化”であり、お金の不安がなくなれば、人生は勝手に楽しくなっていくような気がしています。