
家計簿を眺めていてふと気付いたのですが、自分の資産配分が「投資9割・現金1割」という、一般的にはあまり推奨されないタイプのポートフォリオとなっていて、無職の分際でオフェンシブすぎるやろと笑ってしまいました。
なお、ここでいう”投資”と ”現金”とは、以下のような定義です。
●投資=国内外の株式や仮想通貨といった、相場に応じて金額に変動が起こりうる資産
●現金=銀行口座や財布の中の現金、電子マネー、メルカリの残高など、すぐに引き出せて生活費の支払いなどに充てられる資産
世間では「現金は生活費の半年〜1年分を持っておくのが安心」「市場の暴落を考慮して、今度10年は使わないお金で投資するべき」などなどといった意見を目にします。しかし、私はずっと非正規労働だったうえに現在は無職という状況でありながら、それでも現金比率1割で運用しています。
今回は、このポートフォリオのメリットと弱点、そしてなぜ私がこの割合で落ち着いているのかを整理してみたいと思います。
いつの間にか資産の9割が証券口座に吸われていた
もともとの私の投資スタイルとしては、相場に対して強気というよりは「現金を多めに持つのは、インフレリスクに資産を晒すことになる」という感覚を強く持っていました。節約・貯金が趣味なうえ、同居人とふたり暮らしで生活費は完全折半と支出も安定しているため、現金を厚く持つ必要性をあまり感じてこなかったのです。
また、オルカン(全世界株式インデックス)をメインに積み立てているため、個別株のように暴落で株が紙切れになるリスクが限りなく小さい点も、株式比率を高く保てる理由のひとつです。
もちろん、このマインドは万人向けではありません。あくまでも、
- 生活費が低くて変動が少ない
- 急な大きな出費がほぼない
- 無駄遣いをしない性格
- 株式の値動きにある程度慣れている
など、私自身の生活習慣やメンタル傾向が前提となって、この運用に落ち着いています。
投資9割・現金1割のメリット

資産の成長速度が速い
株式比率が高い最大のメリットは、やはり資産の伸びが早いことです。
インデックス投資は長期的にみれば右肩上がりという前提があり、現金を寝かせておく期間が短いほど、複利の効果を期待できます。特にここ数年は景気もよく、たまの暴落はあれど平均年10〜20%ほどのペースで資産が増えていきました。
また、現金で持つ割合が少ないと「まとまった額を投資に回せない」という状況がなくなるため、収入が少ない時期でも資産は比較的安定したスピードで増えていきます。私は非正規労働で収入が多くはない状態でも、投資している金額のおかげで資産全体はゴリゴリと増えていきました。
インフレに強い
現金は手元にあれば安心感がある一方で、インフレ局面では価値が目減りします。私のように生活費が低い場合、「生活防衛資金を厚めに持つより、資産全体をインフレ耐性のある株式に寄せたほうが合理的」という判断になりました。
物価が少しずつ上がる時代、現金をたくさん保有していることのほうがリスクだと感じます。投資を少しでも勉強すると耳にタコができるほど聞かされる、「現金を日本の銀行口座に貯金しているのは、日本円に100%投資しているのと同じ」というのは、あるていど説得力のある言説なのかなと感じています。
余計な心配が減る
意外かもしれませんが、株式比率を高くしたほうが、私は精神的に楽になりました。中途半端に現金を持っていると、「これも投資に回したほうがいいのでは?」「機会損失をしているのでは??」と考え続けてしまうからです。
投資9割・現金1割という明確なルールがあることで、家計管理も楽になります。現金が減ってきたら(1割を下回ったら)株式を売り、増えてきたら(1割を上回ったら)買う、という機械的な動きを繰り返していけばポートフォリオが勝手に最適化されるので、投資タイミングを見計らってやきもきする必要もありません。
また、現金が少ないからこそ、毎月の生活費を低く保とうとする意識も自然と働き、結果的に支出が安定するという効果もありました。
必要ならその時に株を売ればいい
前述した通り、私は「生活費がなくなったなら、株を売れば良い」というマインドでいます。これは、投資口座を“触ってはいけない聖域”にせず、生活の一部として自然に扱っているからだと思います。
仮に、突発的に来週までに現金100万円が必要になったとしても(そんな状況があまり想像できませんが……)、資産の何割かを売却するだけで済みます。ポートフォリオに占める割合はほとんど変わらず、売却後にまた積み立てれば自然に元の比率に戻ります。
「一度買った株は決して売ってはいけない」「コツコツ積立して気絶するのが最適解」というのもひとつの真理であることはわかるのですが、あまり思い込みすぎる必要はなく、現金比率は低くても大きな問題はないのではないかと思っています。
投資9割・現金1割の弱点

もちろん、弱点も存在します。
暴落時の心理的ストレス
いくら安定性の高いオルカンがメインの投資先とはいえ、暴落すれば資産の9割近くが影響を受けます。特に生活防衛資金が少ない場合、大幅下落の最中にどうしても不安は出るため、「メンタルに影響が出やすい」という点は無視できません。
私は値動きに慣れてきたとはいえ、暴落相場が何ヶ月も続くと「本当にこれで大丈夫だろうか」という気持ちになることがあります。が、今のところ数ヶ月待てばまた市場は上向いて、元通りよりもさらに資産が増えることのほうが多いため、あまり心配しすぎても仕方がないのかなと割り切っています。
大きな出費がある家庭には不向き
住宅購入・妊娠出産・子育て・車の買い替えなど、大きなまとまった出費が予想される家庭では、この比率はかなり攻めた配分になります。
私の場合は子どももおらず、持ち家や車の購入予定もなく、家具家電などは必要最低限で暮らせているため、大きな出費がほぼありません。この生活状況だからこそ成立する比率でもあります。
無収入期間が長いとリスクが増す
無職期間が長期化する可能性がある場合、現金1割では心細さが出てきます。私は生活費が少ないので今のところ大きな問題はありませんが、毎月の支出が多い人だと「収入なし+株価下落」というダブルパンチで不安が加速する可能性が高いです。
この配分を実践するには、「支出を安定的に低く保てること」「最悪の場合はバイトでもパートでもして、現金を稼ぐ覚悟を持つこと」が大前提になります。
私は今ぐらいの上昇相場で資産が増えているうちは失業手当や単発バイトなどで細々と食い繋ぎ、資産が下り坂になって不安のほうが大きくなったら週2〜3日ほどパートで働こうかな〜と、のほほんと構えているところです。
私がこの比率に落ち着いている理由

最終的に、投資9割・現金1割という配分が自分にとって最適だと感じるのは、「シンプルで合理的」だからです。
- 生活費が元々少ない
- ポートフォリオを大きく変動させるような、まとまった出費がほぼない
- 必要なら株を売ればいいと思っている
- インフレに備えたい
- 無駄に現金を寝かせたくない
これらの要素が合わさると、自然と「現金はこれくらいでいい」という結論になります。
投資の世界では「現金比率は何%が正解か?」という議論がよくありますが、私の体感では、その人の生活パターン・支出のクセ・市場の変動への耐性・価値観によって最適解はまったく変わります。他人の正解をそのまま真似るより、自分の生活の安定度と心理的な耐性を基準に決めるのが合理的だと思います。
まとめ

投資9割・現金1割というポートフォリオは、決して万人向けではありません。しかし、生活費が低く、突発的な大きな支出がほぼなく、投資を長期目線で続けられる環境にある人にとっては、非常に効率の良い方法です。
「現金は手元にたくさんないと不安」「株を売るのは悪いこと」という固定観念をいったん外すだけで、選択肢は広がります。現金1割でも、必要なら売却して生活費に回せばいい。それだけの話なのだと私は思っています。
株式比率を高めるかどうかは、収入でも年齢でもなく「自分の生活の安定度」と「市場の値動きに対する耐性」で判断するのがベターだと感じます。今後もこの配分をベースにしながら、必要に応じて売り買いをしていきたいと思います。