Baselog -生活と家計の改善のログ-

週休5日を夢見る派遣社員。

図書館に週1で通いはじめたら多読が捗った

最近、書籍代の節約をしようと図書館に週1で通っています。

趣味費の節約ができるというのも大きなメリットですが、図書館で借りた本の読み方を工夫した結果、多読がめちゃくちゃ捗っています

 

 

図書館のメリット

書籍代が節約できる

図書館の本は、なんぼ借りてもタダです。

仮に1ヶ月間で借りることのできる冊数の上限が20冊程度とし(そんなに読めませんが)、1冊あたりに1,000~3,000円ほどが必要と仮定すると、20,000~60,000円分の必要経費が0円になります。つまり、借りれば借りた分だけ手取り所得が増えるのと同義です。

いまの自分の手取りが15万円だとして、そこに5万円の追加収入があると考えると、"手取り20万円で1ヶ月に本を5万円分買う人"と同じ生活水準まで引き上げられるということになります。

「お前はなにを言っているんだ」な計算かもしれませんが、同じ状況がほかの生活費(たとえば食費や消耗品費など)ではありえないことが、書籍代に関してはありえてしまうという点で、図書館は利用しないと損する一方だと言えます。

なんなら図書館の本は税金で買われているので、図書館の本を1冊も借りずに生活するのは、お金を払っているにもかかわらずその対価を1円分たりとも受けとっていないのと同じことが起こっている、とも言えます。極論。

 

リミットが設けられる

図書館の本には、通常2週間程度の返却期限があります。これが期限までに読みきろうというモチベに繋がってくれます。

地域にもよるとは思いますが、だいたい1回の貸出で10冊程度は一気に借りられるはず。10冊フルに借りたとしても、週5労働をしているサラリーマンはなかなかすべてを読みきることはできないので、2週間で読める冊数で「ちょっとがんばって読まなきゃ読みきれないな」と思うラインを攻めるのがおすすめです。

あまり無計画に何冊も借りてしまうと、ノルマがこなせずに読み切れないまま返却することになります。私は、ページ数や内容の重たさにもよりますが、だいたい1週間で2~3冊くらいを読みきれるように調整しながら、毎週決まった曜日に通っています。

 

多読できる

図書館の圧倒的なメリットは、豊富な蔵書を金額の制限なく読みまくれるので、冊数をこなせるという点です。

いわゆる”多読”に意味を感じないタイプの読書家の人にはメリットにならないかもしれませんが、個人的にはとにかく色々読みたいタイプなので、図書館の本なしの生活はもはや考えられません。

身銭を切って買った本ではないのでたくさん読み飛ばしたり、なんなら1行も読まないままに返却しても罪悪感は薄いし、金銭的な損失は一切ありません。もし借りた本で気に入ったものがあったら、自腹で購入して自宅の本棚に蔵書し、じっくり読んだりコレクションして楽しんだりすればいいわけです。

 

図書館の本の読み方

私が最近実践している図書館の本の読み方は、「”ページ数”÷”返却期限までの日数”」を割り出して、算出した1日分のノルマは、必ず読むというものです。

300ページの本を6日で読むと決めたら、1日50ページのノルマは必ず読む、というかんじ。興味が薄い部分はめちゃくちゃに流し読みしながら、とりあえずノルマはこなします。

なんとなく50ページぐらい……とふんわり目標設定してもいいのですが、私は目標を可視化するため、1日のノルマごとに付箋を貼ってわかりやすくしています。

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透明付箋がかわいくて好き。

 

”読む”か”読まない”かを選択しない

”読まない”という選択肢を排除することで、「今日はなんかダルくて本読む気になれないな……」という気分も強制的に排除することができます。そもそも本を読むか読まないかを選ぶせいで読まない日ができてしまうのだから、強制的なノルマを設定すれば毎日を”読む日”にできる……というマッチョな戦法です。

この戦略をとりはじめたおかげで、1日のうちダラダラしたりぼんやりネットをしている時間をとりあえず本を開いて文章を目で追うという時間に変換することができました。

どうしても興味を持てない、おもしろくない文章だったとしても、楽しさ指数で換算すればぼんやりネットをするのとそう変わりません。だったら、少しでもなにか意味のあることができたという目に見える実績が残せる点で、読書するほうがはるかにマシな余暇の使い方ができている気がします。

www.raccasa.com

 

読書メモは文字起こしアプリを活用

本を読んでいて、

  • 「これは勉強になる!けど覚えておくのは無理!」とか、
  • 「この一文がエモすぎて好きすぎる!!」

……などと思った箇所は、エクセルで読書メモをつけるようにしています。

以前は自分でキーボードに打ち込み、書き写していたのですが、最近は読書メモをつけたい文章は、写真から文字起こししてくれるアプリでテキスト化しています。

現時点で使っているのは「撮るだけ文字認識」というシンプルな無料アプリ。

撮るだけ文字認識

撮るだけ文字認識

  • Takashi Tomoto
  • 仕事効率化
  • 無料

apps.apple.com

  1. iPhoneで撮って写真をテキスト化
  2. テキストをクリップボードにコピー
  3. MacBookで読書メモ用のエクセルファイルにコピペ
  4. 改行や読み取り損ねた箇所を手作業で修正

……という手順で、一瞬で読書メモを作成することができます。iPhoneとMacBookはクリップボードを共有しているのでこういうことができるんですね〜〜(最近知りました)

読書メモはどうしてもつけたいけど、ノルマがある以上はメモを書く作業にあまり時間を割きたくない&手間取りたくない……と思い、この運用に落ち着きました。この運用をはじめて、Macbookを買ってよかったなと心から実感しています。Appleの奴隷です。

 

「身銭を切ってない本は読まない」の解決方法

この方法で読書をするようになって、図書館の本で最もあるあるな現象、つまり一度も本を開かないまま返却期限が訪れる、という事態を100%回避できるようになりました。

 

徹底的にスケジュール化

  1. 図書館で本を借りる
  2. ページ数を日数で割り、ノルマを設定する
  3. 1日のノルマ分は(オール読み飛ばしで一切内容が頭に入ってなかったとしても)こなす
  4. 図書館に行き、返却ついでに新しい本を借りる
  5. ②に戻る
  6. 以下繰り返し……

ルーティンとしては、↑を週1ペースで繰り返しているかんじです。

ちなみにこの方法の難点は、ノルマは無限に課せられるので、あまり調子に乗って借り過ぎると読書時間が無限に延びて余暇時間を占拠すること。さすがに物理的に無理な冊数は借りない方がベターです(それでも1円も損をすることはないのがバグすぎ)

 

「困難は分割せよ」-ルネ・デカルト

たとえただ目を滑らせるだけであったとしても、本を1冊読むというのは、とんでもなく大変な作業です。ネットの記事ならあんなに思考停止してスクロールするだけでいくらでも読めるものも、200ページ、300ページとある本となると「ウッ」となって1ページ読んだだけで「ちょっと休憩……」となり、その後はもう1度もその本を開かない、ということがザラにあります。

その理由としては、やはりその本の重みや厚みといった物質的な感触が、とんでもない”困難”として目の前に立ちはだかり、その圧力に負けてしまうことにある気がします。

しかし、200ページの本も、1日20ページずつ10日間かけて読むとなると、それほどの苦労には感じられなくなります。しかも中身は興味がなければガンガン読み飛ばしていいし、先述したように”読まない”という選択肢はないため、その日のノルマはほぼ確実にこなすことができます。

おもしろいと感じれば読書メモを残したり、自腹で購入してじっくり読めばいいので、読んだ内容が一切身につかないということもありえません。

※なおデカルトは未読

 

多読派は図書館の本を雑に乱読すると捗る

多読への批判として、「何冊本を読んでも内容が身にならなければ意味がない!!」という指摘があります。

確かに、読んだ本の内容をスッキリぜんぶ忘れ去ってしまえば、読書にかけた時間はムダな時間でしかありません。

が、あくまでも私の場合はと前置きしつつ、そもそも興味関心の薄い文章を一字一句なめるように読んだところで身になどならないし、忘れるだけだと思います。

なので、

  • 「このあたりに書いてあることぜんぜんピンとこないな~」
  • 「専門的すぎて予備知識なくてぜんぜん理解できないな~」
  • 「難しいこと言ってるな~」
  • 「興味ないな~~~~~~」

……と思う箇所はとりあえず目だけ通すかんじで流し読み、少しでも引っ掛かりを感じたら真剣に読み始める、という読書方法を選んでいます。

それで読書メモに一行でも残すことができれば、元手が0円であることを考えれば、十分すぎるぐらいの儲けだと思います。

 

そもそも通読とか無理

まず「読んでいない本について』の著者バイヤールは「完全な読書は不可能な理想にすぎない」ことを強調しました。どんなに本を読もうとしても、読み落とし、記憶違いや記憶の欠落は避けられません。どんなにまじめに読書をしたところで、実質的にはすべて拾い読み、つまみ読み、曲解でしかない。完全な読書を目指す誠実な読者はその、拾い読み、つまみ読み、曲解の程度を軽減しようと努力するわけですが、その試みは果てしなく、「完全な読書」の意味で「読めた」と言える日は訪れることはありません。

本は通読しなければ意味がない、内容が頭に入って、理解しなければ読む意味がない……などと考えていると、本を1冊読むのにとんでもなく時間がかかってしまいます。

困難を困難のままに真正面からぶつかったとしても、それでなんとかなるのはものすごく頭のいい人だけです。しかし、では、私のような頭の悪い人間には読書など意味がないのか??というと、それは違うのではないかと思うのです。

また、本に書いてあるすべてをわかろうとすると、わからないところが出てくるたびに、それを理解するために別の本を読んで調べものをしなければどうしようもない……ということも、いくらでも起こります。それで別の本を読んでいるときにわからないことが出てきたら、また別の本を読んで……とやっていると、結局やっていることは多読や乱読と同じになります。

多読をしていると、わからなくても重要なことは何度も目にすることでなんとなく定着していくし、そこまで重要でないことであれば目にする機会が少なく忘れていくし、それでいいと思っています。

 

とにかく出会いを増やす

これは、それほど面白くもないけど借りたことを後悔するほどではない、”とりあえずひととおり目を通したい本”を、とりあえずひととおり読むためにやっていることです。

なんでそんな微妙な本もわざわざ目を通すのかというと、自分の目で読んでみないとどんなことが書いてあるのかわからないからです。

とにかく色んな本に出会い、ざっとでもいいから目を通して、その時点でなにか引っかかるところや「これは!」と思う一文があればすかさず読書メモに転記する、という読書法を選択しています。

目を速く動かしてとにかく速く読むという力技の「速読」とは異なり、 多読者の読書のスピードが速いのには理由があります。というのも、だいたいの書物はそれ単独で存在しているわけではなく、学術論文などでは「先行研究」と呼ばれるような、関連する他の文献がある場合がほとんどなのです。

したがって、その文献を読んでいる人にとっては、新しく手に取った書物の内容を把握するには、先行研究との「差分」を見極めればいいということになります。もちろん、どこからどこまでが先行研究と重複していて、どこからが「差分」になるのかということはだいたいの場合あまり明確ではありません。それでも、多くの本を読んでいる人は、どこが「差分」なのかを見つけ出すカンのようなものが育まれているので、初学者よりも速く読めるのです。

積読こそが完全な読書術である

読んだ本は「なんとなくこういう内容だったな」という大枠だけ捉えておき、必要に応じて読書メモを参照したり、本自体を再読します。

その後の人生でその知識が役に立つかというと、必ずしもそうとは限りません。自分の引き出しとして活用する機会は一生訪れず、なんなら数年後にはその本を読んだこと自体忘れてしまうかもしれませんが、それでも読まないよりはずいぶんマシだと思っています。

自分の人生を劇的に変えてくれるような知識や心を揺さぶられるような一文と出会えるのは極々稀ですが、当たりの宝くじだけを買い続けることが不可能なのと同じように、本は読み続けなければ、”自分にとっての最高の1冊”に出会うことは叶わないからです。

 

貧乏人にも資産5億の大富豪と同じだけの知識と娯楽をくれるのが図書館

お金持ちだろうとそうでなかろうと、”読める本”はこの世に出版されている本に限られることを考えれば、得られる知識は万人に平等に与えられています。しかも、図書館であればそれがすべて無料で借りることができるし、蔵書されていないものはリクエストしたり、取り寄せてもらうこともできます。

この世に「自分は資産が5億円あるから読みたい本を買いまくれるし電動書架のある書斎も持っています」という人がいたとしても、この世に出版されていない本を読むことはできないし、図書館で読みたい本を優先的に予約してもらうということもできません。図書館の、全ての人間に平等な知識を与えてくれる懐の深さについて、「福祉ってこういうことよな……」と思ってしまいます。

図書館があれば、娯楽には一生困りません。私の夢は図書館に週1程度で通える範囲に住み、必要最低限の生活費だけ稼いで週休5日で暮らしつつ、毎日時間を気にすることなく本を読む豊かすぎる暮らしです。

 

calil.jp

(↑最近知った超絶便利サイト。最寄りの図書館をお気に入り登録すると、読みたい本が蔵書されているかどうかを一瞬で検索できます)