地方移住をして、生活費が半分ぐらいになっていることが判明しました。
我が家は2016年12月末に、東京から高知県に移住しています。
現時点(2021年5月)で、移住してかれこれ4年半が経過したことになります。
私はUターン勢ですが、東京を離れて4年以上が経ち、移住して本当に良かったと思っています。
むしろ、あのままずっと東京に住んでいたら満足に貯金もできなかっただろうし、今頃どうなっていたやら……と、ちょっとゾッとするほどです。
この記事では、地方移住して約4年半が経過してわかった、
- 移住することで生活費はどれだけ下げられるのか?
- 収入はどうなるのか?
- なぜ生活費を下げてもQOL(生活の満足度)が上がるのか?
などについてまとめてみました。
あくまでも一例に過ぎませんが、地方移住者がどんなふうにお金を使っているのか、参考までにご覧ください。
※ちなみに、金額は長年つけ続けている家計簿をもとに、ざっくり算出をしています。
- 収入の変化
- 生活費の変化
- 地方移住したことによる、生活費の増加について
- なぜ生活費が半分になったのに、QOLが上がったのか
- 生活にお金をかけるより、生活コストが下がることで得られる安心感のほうが重要だった
収入の変化
まずは収入から。
当然ですが、東京で働くのと、地方(特に高知県)で働くのとでは、所得に大きな差がでます。
私は東京でも高知でも同じ派遣会社に登録し派遣事務の仕事をしていましたが(現在は契約終了して無職)、手取りは半分とはいかないまでも、70~80%程に減りました。
コンビニのアルバイトなどであれば、東京の最低賃金が1,013円、高知の最低賃金が792円(2021年時点)であることから考えて、単純計算で78%程度まで減ってしまう計算です。
これは高知の時給の相場や最低賃金が安すぎるのも原因のひとつなので、高知以外の地方移住であればもう少しマシなのかもしれません。なにせ最低賃金ワーストランクの常連県なので……。
家賃相場などを考慮に入れたとしても割に合わなさすぎるので、お給料の安さという観点では、高知県は正直あまり移住をオススメできる県ではありません……。
生活費の変化
では、そんなあまりおすすめしにくい高知県であっても、実際のところ生活費はこのくらい下がったよ!!ということについて解説していきます。笑
①家賃……月50,000円→20,000円以下に
高知は田舎にしては相場が割高とはいえ、家賃に関しては東京よりはぐっと下がります。
東京のマンションに住んでいた頃は、ワンルームで7~8万円、2DK駐車場つきで10万円ほどの家賃を払っていました。
我が家は同居人と生活費の折半をしているので、半額で月の家賃は5万円でした。
では、高知の家賃相場はというと、ワンルーム2~3万円、2DKなら4~5万円、駐車場代は+5,000円ほど。
我が家は移住に際して安い家賃のアパートをしつこく探し回ったため笑、相場を1万円ほど下回るボロアパートで生活しています。
②光熱費……月8,000円→5,000円に
光熱費に関しては、電気代は移住してやや減。
水道代は何故か妙に安く、ふたり暮らしでジャブジャブ使っても月々1,000円ほどしかかかっていません。謎。
しかし、特筆すべきはガス代です。
東京に住んでいた頃は都市ガスだったため安くあがっていたのですが、移住直後はガス代が3倍ほどに膨れ上がって驚愕。プロパンガスの洗礼を受けました。笑
ガス代が増えたのには日々の自炊の割合が増えたことなども関係しているとは思いますが、それでも冬場などは都市ガスの2倍ほどの金額に達してしまうので、おちおちお風呂もためられません。
食器洗いにお湯を使わずゴム手袋を装着するなど、少しでもガス代を下げられるように工夫をしています。
そのような節約を試みた結果、光熱費トータルでみれば、なんやかんやで東京に住んでいた頃よりも数千円ほど安上りになっています。
都市ガス圏内に住んでいた頃はガス代の節約など試みもしなかったので笑、怪我の功名といいますかなんといいますか。
現在の感覚でまた都市ガス圏内に移住したら、もっと光熱費を安くできるかもしれませんね。
③食費&外食費……月30,000円以上→20,000円に
東京に住んでいた頃は毎日のようにコンビニで飲み物やお弁当を買っていたし、外食も毎週していたし、昼食は社員食堂を利用していたこともあって、家計に占める食費の割合が大きなものになっていました。
外食が好きでそうしていたというよりは、料理が苦手だったり自炊をする精神的な余裕がなく、仕方なくコンビニ食やファーストフードに頼っていたというのが実状でした。
とはいえ、高知移住をしたからといって料理が好きになったわけでも、自炊に手間隙をかけられるようになったわけでもありません。
移住後の食費が下がった一番大きな理由は、大型のスーパーが徒歩圏内にあり食品調達のハードルが下がったことでした。
田舎というと買い物ができる場所が少なく、取扱商品の種類も少ないというイメージがあるかもしれませんし、中心地を離れればそういうこともあるかもしれません。
が、個人的には、東京のスーパーの狭さとおつとめ品の競争率の高さこそカルチャーショックでした。
東京に住んでいた頃の最寄りスーパーは駅に併設されているタイプの狭小店舗で、売り場にはいわゆる「売れ筋商品」しかありません。
夕方になってもおつとめ品として割引されたりしないし、されたとしても一瞬でなくなってしまうのがあまりに不便で、買い物がすこしも楽しくありませんでした。
田舎のスーパーはとにかく売り場面積が広く商品の種類も豊富だし、夜になると半額になっているお刺身やお総菜がちゃんと残っています。
そんな便利な大型スーパーが近くにあっても、前述したように家賃は安いしで、生活コストを下げることのできる環境がしっかり整っていると言えます。
④交通費……月10,000円→2,000円に
東京に住んでいた頃は、家から職場までの毎月の定期代+週末のお出かけのための交通費として、だいたい月に1万円ぐらいの出費がありました。
高知に移住して、車通勤をはじめた頃の交通費は、約5,000円ほど。
その後、実家から譲ってもらった原付で通勤をするようになって、毎月の交通費は2,000円ほどまで下げることができました。
派遣会社から交通費が支給されるようになったとはいえ、ただ毎日職場に移動するためだけに5,000円も払わなければいけないのは猛烈にシャクだったため笑、原付の存在はものすごく助かりました。
雨の日やものすごく寒い日・暑い日は大変なこともありましたが、原付通勤に慣れてしまうと、もう自分ひとりが移動するためだけに車に乗るのはコスパが悪すぎると感じるようになりました。
⑤服飾費などの買い物……月8,000円→3,000円に
高知に移住して明らかに少なくなっているのが、ファッションやインテリア、雑貨などを買うための支出です。
東京に住んでいた頃はショッピングのたびに服を買ったり、インテリアショップで細々とした雑貨を買ったりしていました。
が、高知にはそもそも、そういったオシャレなものが買えるお店の数が、相対的に少ないです(まったくないというわけではありませんが……)
そしてどんなに身銭を切ってオシャレな服を買ったところで、出かける場所はイオンかTSUTAYA……となると、そこまでのモチベーションがない、というのも事実です。
結果として、服はユニクロかGU、家具や雑貨類は無印で「調達」するという、なんともドライなショッピング事情になってしまっています。
個人的にはそのおかげでずいぶん節約もできたし、オシャレに気合いを入れずともすむというのは存外に気楽だし、悪いことばかりではないと思っています。
が、ファッションやアート、デザインなどに関心が強い人にとっては、田舎は都会に比べて退屈なものになってしまうのかもしれません。
⑥税金関係……収入が減ったので税金も減額に
収入ががっつりと下がっているので、住民税・所得税などの税金関係もだいぶ下がっています。
が、高知は税金が高い!とよく言われるので(真偽は不明)、もしかしたら移住前と収入が変わらなければ、税金はかえって高くついてしまうのかもしれません。
ですが、まあ、東京と高知で同じように働いていて収入が下がらないということはまずないと思うので、「地方移住したら税金は下がる」というのはほぼすべての人に当てはまるといってもいいのかもしれません。
健康保険などの保険料については、正確な検証はしていませんが、あまり大きな変化はない印象です。
地方移住したことによる、生活費の増加について
上記はすべて”地方移住したことによって下がった生活費”についての解説ですが、逆に、地方移住したことによって増えた出費ももちろんあります。
そのひとつがレジャー費で、地方移住したことによって、ドライブや小旅行をする機会が激増しました。
東京に住んでいた頃は、レジャーといえば夏休みのキャンプ旅行かお盆&正月の帰省かぐらいだったのに、高知に移住してからというものほぼ毎週のようにキャンプ・車中泊・温泉旅行に出かけています。
とはいえ、そのような機会も昨今の新型コロナウィルスの影響でほとんどなくなってしまい、ここ1年ほどはすっかり引きこもり生活にシフトしています。
金額では、コロナ以前→以後で約1/3以下まで激減。
週末の小旅行は大事な趣味のひとつということもあり、そこまで節約したい!!と思っている出費ではないので、旅行ができなくなってしまったのは残念です。
少しでも早く情勢が落ち着いてくれればいいなと思います。
なぜ生活費が半分になったのに、QOLが上がったのか
では、なぜ地方移住しただけでそこまで生活費を削減できたのかというと、話は簡単で、東京に住んでいた頃はただただ無駄遣いのしすぎだったというのが真相だと思います。
生活するのに本当に必要な出費はせいぜい5割程度で、あとの5割はただの無駄遣い・浪費だったと考えると、生活品質を維持しつつ生活費を半減できたことには合理性があります。
都会では”それが当たり前”で、浪費に気付かなかった
ただ、都会に住んでいた頃の自分は、その5割が無駄遣いであるとは一切認識しておらず、「これは生活するのに必要な出費だから……」とどこか言い訳めいていたように思います。
たとえば、
- 都会の高い住居費
- 新しい洋服
- 新しい化粧品
- 自宅に飾るためのインテリア雑貨
- 外食費
- 車の維持費
- 飲み会代
- 旅行代
こういったものたちは一見、「仕事をがんばるために」とか、「それが生きがい、趣味だから」と、いくらでも言い訳できてしまう類のものたちです。
でも、実際は、
- 東京を離れ地方移住しても、楽しく快適に暮らせている
- 田舎のボロアパートでも住めば都
- 毎日新しい服を着なくても、職場の人は誰も気づかない
- 毎日ちがうメイクをしなかったとしても、これも誰も気づかない
- インテリア雑貨は買ったきり放置されて、埃をかぶっているのがオチだった
- 多くの外食は割高なうえ、実際そこまで美味しくもない
- 車がなければ通勤できないなんてことはない
- お酒の場はそこまで好きではなくて、ただふつうに友達と話したいだけだった
- 海外旅行したりリゾートホテルに泊まらなくても、車中泊旅行で充分楽しい
改めて見直してみればこれが現実で、上記のことにお金をかけなくても生活の満足度はそれほど低下しないということが、実際にやめてみて初めてわかりました。
生活にお金をかけるより、生活コストが下がることで得られる安心感のほうが重要だった
生活にかかる費用が少なくなればなるほど、将来に対する漠然とした不安や、働くことへのプレッシャーも少なくなっていくことが実感できました。
現状、無職期間=”働かなくてもいい期間”が、2年以上もある
私が2021年3月に派遣の雇用契約が終了したとき、働いていた3年間で貯めた貯金が200万円ほどありました。
※派遣で働いていた間の貯金額推移表です
現在の私の月の生活費は6万円代なので、多めに見積もっても、28ヶ月間は働かなくても貯金を切り崩すだけで生活していくことができます。
これが仮に、以前東京で暮らしていた時の、生活費として月15万円以上が自動的に出ていってしまう生活スタイルであれば、貯金は13ヶ月しかもたないことになります。
(実際は保険料や税金がゴリゴリにかかってくるため、貯金でもたせられる期間はもっと少なくなります)
もしも今以上に生活コストを下げられれば、貯金だけで生活できる期間が延びます。
それだけではなく、今後再就職したとき、フルタイムではなくパートタイムやアルバイトなど、以前よりも少ない労働時間・労働日数での働き方を選ぶことができるようになります。
あるいはフリーランスに転向したり起業をして、ちょっとくらい収入が少なかったとしても、自分の好きなこと・やりたいことで稼いでいけるというメリットもあります。
ちなみに、私の目下の目標は”週休5日生活”であり、最近ではもはやそれも不可能ではないくらいに、月々の生活コストは下がっています。
移住したおかげで、毎日安心して暮らせるようになった
この「そこまで必死になって働かなくても、週5日のフルタイム労働をしなくても、もうどうやったって何不自由なく生きていける」という安心感は、なににも代えがたいものがあります。
東京に住み、家賃だけで手取りの1/3が消えてなくなってしまっていた生活では、この安心感を得ることはほぼ不可能だったのではないかと思います。
そもそも分不相応にコストのかかる生活をしてしまっていたなと思いますし、変な見栄を張っていらないものを買ったり、時間的・精神的な余裕のなさから外食も多用してしまっていました。
今となっては地方暮らしがとても肌に合っているし、どんなに給与水準が高いとはいえ、また東京に住みたいとは思わなくなりました。満員電車もイヤですし……。
今、都会に住んでいて、思うように貯金ができなかったり生活コストを下げられずに悩んでいる人には、地方移住をしてみるのもいいのではないかとおすすめします。